ファン心理と欠乏感


アイドルでもアニメでも、なんでも良いのだけど、
何かにハマるって言うことは、
「それが手に入る事はない」
て事。
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例えばハリーポッターにハマって、
ずーっと頭の中で世界観に浸っていたとする。
その世界にハマってる「自分」と言う客観的視点はもう消えている。
脳内はハリーポッターの世界一色なので、自分という肉体すらそこにはない。
で、ハッと我に帰る。
あ、いいかげん寝なきゃ。
となる。
それでいて、自分がハリーポッターの登場人物に実際になれる事は絶対にない。
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例えば、とあるアーティストやアイドルにすごく惹かれたとする。
見た目がカッコいい、声がいい、かわいい、
そのアーティストの活動記録をつぶさに調べ、一言一句を反芻し、映像資料を漁りまくる。
ライブイベントに行くとか行かないとか。
もっと情報をくれ
最新作を早く見せてくれ
だけど、そのアーティストの実際の人格を受け止める事はまずない。
アーティスト像はメディアによって作り上げられた一側面だから、実体じゃない。
アーティストに没頭している時の自分に
「私」と言う客観的視点はない。
で、ハッと我に帰る。
私なんか普通だから〜
となる。
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色んな事にこの方程式が当てはまる。
ハマってる間、ほとんど同じ現象が現れる。
1.「自分」と言う客観的視点の欠如
2. もっと情報が欲しい、次の話をよこせ!と言う永遠の「鼻の先のにんじん」
欠乏感と劣等感はすごいエネルギーの源動力だ。
ファンには本来の「自分の人生」や「自分の感覚」を思い返す隙を与えない。
どんどん次のコンテンツに振り向けていく。
そこから抜け出す方法は2つポイントがあると思う。
「もう十分だ」という自分に気付くこと。
「それは作られたもので、本当ではない」と気付くこと。
この2つのポイントが揃うと、ファンになって情報を漁っていた自分が、
「現実の自分」に気付き始める。
あれ?
ハリーポッターってハリボテだった。
あれ?
どうしようもなく当時ハマってたけど、今はちょっと距離を置いてみられるなぁ。
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多分これが、輪廻転生を俯瞰して見られる視点だと思う。
人生ドラマにハマってると苦しいし、楽しい。
みんな、生まれてからずーっと、
自分という人生ドラマの熱烈なファンをやってる状態が続いている。
メガネを外す暇もない。
ずっとオンラインゲームをやり続けてるゲーマー状態。
ファン心理に突き動かされている時、
その裏には何が自分の内部でうごめいているのか。
とても重要な情報が隠されていると思う。
「もう十分だ」という自分に気付くこと。
「それは作られたもので、本当ではない」と気付くこと。
ファン心理も悟りの視点も同じ事を示していると思う。
そんな訳で、悟りの道反抗期の私は、率先して色々ハマりまくってるオタクを自覚しています(笑)。